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TAKESHI

Author:TAKESHI
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2006.08.22 Tue
グラン・ブルー

大学院の始まりは9月からだから、しばらく時間がある。
だからオレは旅に出た。

まずは、チェチェン・イツァーに向かった。
ここには、マヤ文明の階段式ピラミッドが存在する。密林の中に蒼然とそびえる均整のとれた巨大な建造物。背景の透きとおるような青空とのシンメトリーが、何よりも神秘的で美しかった。

そのあとカンクンにたどり着いたが、それをシカトして、その先のプラヤ・デル・カルメンへ。そして次の日の早朝、船でコスメルへ向かった。

コスメルはカリブ海に囲まれたメキシコ最大の島である。なかでも海の透明度は世界有数で、カンクンのそれをはるかにしのぐ。ダイビングスポットも豊富で、世界中のダイバーが集まり、「ダイバーズパラダイス」と呼ばれている。

そこでオレは、すでに持っている自らのダイビングライセンスを、一ランク上のアドヴァンスド・オープンウォーターダイバーに更新させた。アドヴァンスドになると、これまでの水深18メートルよりはるかに深い水深40メートルまでもぐるディープダイブができる上に、夜にもぐるナイトダイブや、海の中で写真を撮るアンダーウォーター・フォトグラフィーなどを行う資格が与えられる。海の中での楽しみがますます広がるわけだ。

コスメルの海の透明度は、いいときで60メートルに達する。そこでオレは5ダイブした。海岸のエメラルドグリーンから船で沖あいに出ると、海の色はある地点を境にコバルトブルーへと変わる。船の上から下をのぞきこむと、海は驚くほどに透きとおっていてはるか下まで望むことができた。

ぜんぶで5つのスポットに潜った。なかでも壮観だったのはサンタロサ・ウォールというスポット。コバルトブルーの中にゆっくりと降下していくと、しだいにエメラルドグリーンの、コトバでいい表わせぬほどの美しい世界が広がってくる。海の中には、あきらかに別世界が存在している。

カリブ海の女王と呼ばれるクイーン・エンゼルフィッシュをはじめとして、強い鮮明色と奇怪な形状をした熱帯魚たちが、次々に眼前を優雅にとおりすぎる。古代魚のターポンの群れに出くわし、サンゴはあたり一面に広がっている。それが水深18メートルの世界。

さらに下へと潜っていくと、しだいに海の色は濃くなっていく。巨大なカニやエビがサンゴの岩間に隠れていたりする。水は驚くほどに透きとおっている。水深25メートル。

そこから左下を見下ろすと、高貴な紫色を帯びた濃厚なコバルトブルーが、眼前に覆いつくせぬほどの広がりと恐ろしさで存在している。

そしてぼくは、その「グラン・ブルー」のなかに入っていった。まるでそこが、ぼくが還るべき本当の場所であるかのように。

巨大なカメが岩の上でお食事をしている。ナースシャークの親子連れが目の前をとおりすぎる。小さな子ガメがぼくの上を、ゆっくりと光の射すほうへと泳いでいった。

地上の喧騒は、はるか深海へは届かない。


グラン・ブルーの中で、ぼくは地上に戻るべき理由を失ってしまった




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