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TAKESHI

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「 2006年12月 」 の記事一覧
2006.12.15 Fri
懐かしい未来

 


いま、テレレと赤い土と青い空のところにいる。


 


メキシコシティーからチリのサンティアゴへ向かう空港のロビーは、ビジネスマンや金持ち旅行者であふれていた。しかし、サンティアゴからアスンシオンへ向かう空港のロビーには、ビジネスマンの姿は一人も見あたらず、それにかわって10代や20代の若者がペチャクチャペチャクチャしゃべっているだけだった。そんな学生の修学旅行のようなロビーの様子をみて、いまから自分が向かうところが、実に「若い国」であるということをあらためて実感した。飛行機のなかは、元気なしゃべり声と陽気な笑い声で満ちあふれ、すっごくにぎやかでやかましかった。きっとこんな空の旅もめずらしいにちがいない。


 


やってきたというよりは「もどってきた」という感覚だった。


 


空港を出るとタクシーのしつこい客引きがあって、市街地へ向かう途中には牛が原っぱでのんびりと歩いている光景が目にはいる。そして、この国だけは何にも変わっていないようにおもう。


 


でも、細かいところでいろいろと確実に変わっていたところがあった。まず、現在1ドル=5300グアラニー(以前は7000グアラニーくらい)。ドルの価値が徐々に落ちていることに起因する。そして、コレクティーボ(バス)の料金が、現在2100グアラニー(以前は1500グアラニー)。ガソリンの値段が急騰したことによる。さらに、「20000グアラニー札」の登場。絵柄は、壷をもってアオポイの伝統衣装をまとったパラグアージャ。これは世界でもっとも美しい紙幣だとおもう。日本の2000札のように使い勝手はあまりよくはないが。


 


そしてさらに、肉の値段が急上昇している。したがってアサディート(やきとりみたいなもの)売りはあまりみられなくなってしまっていた。そしてさらにさらに、最近エル・ニーニョ現象中で、夜はスコールのような激しい雨が降ることが多いという。到着した初日の昨日の夜は、メシを食ったあとスコールにやられ、道路は滝と化し、ホテルに戻るまでに散々なメにあい、しかも夜中はずっと停電だった。オレはいま、北海道県人会主催の「はまなすセンター」に泊まっている。1ヶ月300000グアラニー。そしてきわめつけは、JICA事務所がセントロからマリスカル・ロペス通りのシティバンクビルに移動したこと。セントロの治安が年々悪化していることによるらしい。


 


そんなこんなで、この国もグローバル化の波に逆らうことはできないわけだけれど、肝心のところは何にも変わっていないみたいだなと、今日メルカド4(市場)をぶらぶら歩いていておもった。小食館(中華料理屋)とティグレ(韓国マッサージ屋)にいった。いつもそうだったように。


 


メルカド4にはジュージョ(薬草)を売る人がいて、テレレをしている人があちらこちらにいて、「バエテコピオ!」(「元気か!」の意:グアラニー語)といっている人がいた。そして、グアラニーと白人との混血であるメスチーソは、本当に美しい体型と顔立ちをもった女性や男性が多い。


 


きのう「はまなすセンター」に到着し、宿泊施設について現地の男性からいろいろと説明を受け、いくつか質問をしていると、彼がやたらと「とらんきーろ!」(Tranquilo)の単語を連発しているのを聞いて、「ぜんぜん『とらんきーろ』じゃねーよ!」と心の中でつぶやいていた。


 


彼らは、「とらんきーろ」という単語を日常の会話で頻繁に使う。これはスペイン語で「おだやかな」という意味のコトバなのだが、彼らの発言のニュアンスを含めて日本語でなんと訳したらいいのか、なかなかむずかしい。「まあまあ、気にすんな!」とか「ゆっくりいこうぜ!」とか「Anything OK!」とかいうことになるだろうか。


 


それにしても、ここの街やここの人々の、この包みこむような陽気さとあたたかさはいったいなんなのだろう。


 


たしかにここは、すべてが「とらんきーろ」な雰囲気にみちている。こんなに「スロー」な国もめずらしいかもしれない。人々は本当にゆっくりとゆったりと生活している。そんなグアラニーの生活にふたたびふれてみて、つねに時間にしばられて生活していかざるをえない「日本人」としての自分を、少し悲しくおもったりした。


 


世界銀行はこの国をラテンアメリカの最貧国と位置づけ、お隣の大国のアルゼンチンやブラジルはこの国の人々を「田舎もの」と蔑んでバカにしている。だが、どれもこれもいまのオレにはとうてい理解できない。結局のところ、リアリティーは「現場」にふれなければわからないのだ。


 


グアラニーの人々と生活を共にするとき、「貧困」とは何なのか、「しあわせ」や「いい暮らし」とはいったい何なのだろうかと、いままで先進国で培われてきた「常識」を、きっと根底から問い直さずにはいられないだろう。


 


カンクンやアカプルコやマイアミのリゾート地は、たしかにパラダイスである。しかし、それは金持ちにとってのそれに他ならない。つまりそれは、多くの人にとっては限定的で排他的な空間として存在している。しかしこの国は違う。ここには美しいビーチや超高級リゾート地はないが、彼らの文化や彼らの街は、いつでもだれにでもウェルカム(Welcome)といっている。


 


青い空と赤色の大地にかこまれたグアラニーの桃源郷は、いつもあなたにビエンベニード(Bien Venido)といっているのである。





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